【ドカタ】林道が出来上がるまで【土木】

こんにちは。

 

今回は工事現場の着工前から完成に至るまでのフローを紹介していきたいと思います。

 

ちょうど現在施行している工事現場の一部分が完成したのでそれを例に。

 

砂防堰堤に係る管理用道路の工事ですが、構造的にほぼ林道です。

 

では着工前に振り返ってみます。

 

着工前はこのとおり、ただの山です。杉と竹しかないです。

ちなみに写真の人物はわたしです。花粉症がひどくマスクを着用しています。

 

土木工事では工事の進捗に伴い、各工種で施工管理の様子を撮影し、記録しなくてはいけません。

着工前の写真も写真撮影管理として必要です。

 

<着工前>

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まずは工事の範囲に影響する立木を伐採します。

前もってどんな立木を何本伐採するか、調査して記録しなければいけません。

立木が数百本あったのでこの作業だけでも大変でした。

花粉症のわたしには地獄のような作業。。。

 

<立木調査>

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ピンクの鉢巻が巻いてあるのが対象立木です。

測量ミスで用地外の立木(未買収のもの)まで伐採してしまうと大変なことになるので、測量の際は設計図や用地図面をしっかりと照査しなくてはなりません。

 

<伐採作業>

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伐採が完了したら切土掘削を行います。

切土掘削は間違えてしまうと元には戻せないので、これも設計図を入念に照査し、掘削の図面を作成しなくてはなりません。

図面を作成し、それを測量にて現地に反映させます。

ミスしないように、重機オペレーターにどこから、どの勾配で、どの高さまでという事をしっかりと指示します。

 

<切土掘削>

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所定の掘削を終えたら構造物を施工していきます。

この道路は切土側に石積擁壁を施工します。

切土掘削の精度が悪いと石積擁壁の所要断面が確保できなくなるので、切土掘削の施工管理はすごく重要です。

 

<石積工>

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石積擁壁工が完了したら道路の形になるように整形していきます。

この作業は石積工の施工前でもOKです。

重機に法面用のバケットを取り付け、凸凹がないように整形していきます。

 

<盛土整形>

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整形が完了したら法面保護工として植生工を施します。

植生工とは、法面に草を生やして雨などによる法面の浸食、崩壊を防ぐための措置です。

 

切土部は堅い地山で自然植生が困難なため、種子の入った有機基材を吹付けて植物の生育基盤を造成します。

 

<植生基材吹付工>

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盛土部には種子の入ったマットを敷いて法面の緑化を促進させます。

盛土してから半年ほど経過してるので既にうっすらと草が生えてますね。笑

本来、植生工は法面工の施工直後が望ましいのですが、この工事は数回に分けて発注されているため、このように施工期間が開いてしまいました。

 

<植生マット工>

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道路の土台が完成したら安全施設工を施工していきます。

この工事ではガードレール、ガードパイプではなく、駒止ブロックという縁石を施工します。

駒止ブロックは車両の速度が比較的緩やかで、道路幅が狭く衝突角度が小さい場合に用いる事が多いです。

林道ではよく見かける構造物です。

 掘削→型枠組立→生コン打設→ブロック設置の順で施工していきます。

 

<縁石工>

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道路の額縁が完成しました。輪郭がハッキリしたので道路っぽく見えてきました。

そして次は路盤工です。この工事では砕石を厚さ10cmで敷き均します。

所定の厚さ、基準高、締固密度、これらをしっかりと満たすよう施工管理が必要です。

 

<路盤工>

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路盤の施工が完了したらいよいよ舗装です。

この工事ではコンクリート舗装となっています。

コンクリートの強度を高めるため路盤一面にワイヤーメッシュを敷設します。

交通荷重によるコンクリートの沈下、ひび割れなどを防止する措置です。

 

<ワイヤーメッシュ設置>

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そしてコンクリートの打ち込み作業です。

施工箇所は堰堤の背面側となっており、大型車両の進入ができないので全面側からポンプ圧送により施工箇所へ生コンを送ります。

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コンクリートポンプ車での施工は安全対策に十分留意しなくてはいけません。

ポンプ車の設置が適正か、配管の固定は確実か、いろいろとチェックします。

 

<設置状況の確認>

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施工が完了しました。

 

<施工完了>

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何もない山に道路ができました。

(写真は同じ場所の比較です)

 

着工当初と比較するとかなり景色が変わりました。

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以上が林道が出来上がるまでの工程の紹介となります。

(林道といっても様々な構造がありますから今回の紹介はそのほんの一部にすぎませんが)

 

いつも何気なく通っている道路も最初は何もないところで、様々な工程を経て道路が出来上がったと思うと感慨深いものがあります。自分が担当した工事なら尚の事。

こう感じるのは職業病だと思いますが。笑

 

実際に自分たちの手でモノ作りができて、それが地域に残る施設となるというのは本当にやりがいのある仕事だと思います。

 

 

土木ってすごく楽しい仕事ですよ!

 

子供のころ工作や絵を描くことが好きだった人は絶対に楽しく仕事できます。笑

 

 

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